高齢者の高次脳機能障害と事故との因果関係が認められた事案

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認容額 1163万5090円
年齢 67 歳
性別 男性
職業 旅館手伝い
傷病名

急性硬膜下血腫、脳挫傷、頭部顔面挫創、全身打撲、頸椎骨折及び左腓骨骨折

後遺障害等級 3級
判決日 平成26年4月25日
裁判所 福井地方裁判所

交通事故の概要

平成19年1月22日午後18時28分頃、福井県勝山市昭和町1丁目8番25号付近の路上において、加害者はこの道路を南東方向に向かって車を運転していたところ、吸っていたたばこの火を消すために進行方向から視線をそらした。
しかし、加害者は、この間なおも車を前進させ、交差点及び横断歩道を通過し、本件事故現場に向けて進行した。
被害者は、この道路を南西側から北東側に向かって横断しようとしていた。
加害者は道路上に被害者を発見し、車のブレーキをかけたが、本件道路を横断しようとしていた被害者と衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者は事故後、約1ヶ月入院し、退院した後も治療のため約1ヵ月半通院をし、症状固定した旨の診断を受けた。

後遺障害の内容

被害者は、本件事故によって急性硬膜下血腫、脳挫傷、頸椎骨骨折等の傷害を受け、頸部痛及び右前額部線状瘢痕の後遺障害が残存したとして、後遺障害 併合14級に該当するとの認定を受けた。
また、被害者には事故との間に相当因果関係がある高次脳機能障害が生じており、後遺障害3級に相当すると認定を受けた。

判決の概要

被害者の高次脳機能障害は本件事故によって負った傷害に起因するものというべきであり、本件事故との間には相当因果関係が認められるというべきものであると認定し、被害者の請求を一部認容した事例。

認容された損害額の内訳

休業損害 143万3333円
逸失利益 775万5840円
慰謝料 2170万円
損益相殺 - 339万9254円
弁護士費用 100万円
過失相殺 -1871万2459円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。