【自転車事故】右側頭骨骨折による聴力低下等の被害で損害賠償認容額は8千万超

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認容額 8736万2015円
年齢 9 歳
性別 不明
職業 小学生
傷病名

脳挫傷、頭蓋底骨折、右側頭骨骨折、外傷性クモ膜下出血

後遺障害等級 4級
判決日 平成25年3月12日
裁判所 名古屋地方裁判所

交通事故の概要

平成17年7月18日午後4時55分頃、名古屋市南区西又兵ヱ町一丁目25番地にある交差点付近において、信号は赤色点滅で北方から南へ走行していた被害者の自転車と信号は黄色点滅で東方から西へ進行していた加害者の普通乗用自動車の右前部が衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、本件事故により飛ばされて右側頭部を打撲し、脳挫傷等の傷害を負った。事故後は約1ヵ月の入院と約1年11ヵ月の通院を余儀なくされ、症状固定し、後遺障害4級の認定を受けた。

判決の概要

本件事故の裁判では、事故態様及び過失相殺、被害者の損害及びその損害額などが争点となった。
過失割合については、被害者側の信号が赤色点滅であったため、一時停止しなければならない義務があり、自動車が接近しているにもかかわらず、一時停止せずに横断を開始した点に過失相殺すべき過失があると認められたが、被害者は本件事故当時7歳の児童であり、その注意義務の程度は成人に比べ限定的にとらえるべきなので、過失は2割と認めるのが相当である判断された。
損害額については、被害者自身の治療関係費、入院雑費、後遺傷害慰謝料などについては一部認められたが、被害者の両親固有の慰謝料の請求については棄却された。

認容された損害額の内訳

治療関係費 60万6308円
入院付添費 30万7500円
入院雑費 5万2500円
通院交通費 3810円
将来介護費 2526万2124円
逸失利益 5976万9771円
慰謝料 1837万円
調査費用等 4万2329円
弁護士費用 450万円
過失相殺 -2088万2869円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。