頭部外傷,肺挫傷等を負い後遺障害5級認定の自転車事故、賠償金認容額は9千万超

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認容額 9374万7418円
年齢 10 歳
性別 不明
職業 小学生
傷病名

頭部外傷、肺挫傷、肋骨骨折、顔面骨折、顔面打撲

後遺障害等級 5級
判決日 平成25年3月19日
裁判所 名古屋地方裁判所

交通事故の概要

平成18年5月12日午後4時40分頃、愛知県清須市阿原星の宮152番地にある路上において、被害者が自転車に乗り交差点以外の地点において道路を横断していたところ、当該道路を直進してきた加害者の普通乗用自動車と衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、本件事故によ乗っていた自転車と一緒に前方に飛ばされ、頭部外傷等の傷害を負った。事故後は約3ヵ月の入院と約1年9ヵ月の通院を余儀なくされ、症状固定となった。

判決の概要

本件事故の裁判では、事故態様及び過失割合、被害者の損害及びその損害額などが争点となった。
過失割合については、普通乗用自動車の運転手が制限速度内で運転し横断していた被害者の自転車を早期発見すれば、適切なブレーキやハンドル操作により衝突を回避することが可能であったにもかかわらず、これを怠ったと判断され、相当重大な過失があると認められた。その他方で、被害者側も横断する際には横断歩道を渡るべきであり、また、横断する前に右方を注視していれば、容易に自動車を発見することが可能であったことから、多少の過失はあると認められた。以上の内容や被害者が児童であることを考慮した結果、過失割合は加害者が9割、被害者が1割とされた。
損害額については、被害者自身の治療関係費、入院雑費、後遺傷害慰謝料などについては一部認められ、かつ、被害者の親固有の慰謝料についても請求の一部が認められた。

認容された損害額の内訳

治療関係費 146万5605円
入院付添費 52万9200円
入院雑費 12万6000円
通院交通費 70万3334円
通院付添費 263万2000円
将来介護費 2114万4231円
逸失利益 5346万9656円
慰謝料 2100万円
弁護士費用 425万円
過失相殺 -1010万7000円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。